2022年5月28日土曜日

鏡よ鏡、世界で一番美しい国は


バルト海の合わせ鏡

 

ボスニア湾の支配者

金色に輝くメーラレン湖の女王

バルト海を渡り

                                     遠い東の地に黄金とシルクを求めんとする

 

あるとき、霧の海辺に佇むフィンランドの乙女を王宮の鏡で見る

女王は早速、乙女を召して御側とする

乙女から故郷に咲く青白な鈴蘭の話を聞く

乙女にそれを摘み、

ラドガ湖の岸を領ずる青銅の騎士へ

「愛の印」として届けることを命ずる

女王の裾を東へ広げるためにも

騎士には永遠の眠りを

 

青銅の騎士、湖岸で出会ったこの乙女に心打つ

高貴な白、栄誉の紺、愛と勇気の赤

騎士は三色のネックレスを乙女に与え

忠節を求める

 

鏡よ、鏡、見せておくれ

右と左と正面に

鐙と青白なドレスを

睦まじき二人の姿、

鈴蘭の毒と香りはいかにしたか

 

乙女は青銅の騎士に忍従する

だが、故郷の深緑の森、青い湖、白銀の雪に夢を見る

望郷の思いは募る

 

早朝、霧のラドガ湖を発つ

 

歩けども、歩けども緑の大地と青い水面

ある月の夜、乙女は波濤の先に星環を見る

 


0 件のコメント:

コメントを投稿