バルト海の合わせ鏡
ボスニア湾の支配者
金色に輝くメーラレン湖の女王
バルト海を渡り
遠い東の地に黄金とシルクを求めんとする
あるとき、霧の海辺に佇むフィンランドの乙女を王宮の鏡で見る
女王は早速、乙女を召して御側とする
乙女から故郷に咲く青白な鈴蘭の話を聞く
乙女にそれを摘み、
ラドガ湖の岸を領ずる青銅の騎士へ
「愛の印」として届けることを命ずる
女王の裾を東へ広げるためにも
騎士には永遠の眠りを
青銅の騎士、湖岸で出会ったこの乙女に心打つ
高貴な白、栄誉の紺、愛と勇気の赤
騎士は三色のネックレスを乙女に与え
忠節を求める
鏡よ、鏡、見せておくれ
右と左と正面に
鐙と青白なドレスを
睦まじき二人の姿、
鈴蘭の毒と香りはいかにしたか
乙女は青銅の騎士に忍従する
だが、故郷の深緑の森、青い湖、白銀の雪に夢を見る
望郷の思いは募る
早朝、霧のラドガ湖を発つ
歩けども、歩けども緑の大地と青い水面
ある月の夜、乙女は波濤の先に星環を見る
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